肝臓と食事

肝機能を高める栄養素

たまご

肝臓、肝細胞はたんぱく質でつくられています。
ですので肝細胞が破壊されて再生する場合、たんぱく質が必要となってきます。
特に、必須アミノ酸のバランスが良い、良質のたんぱく質を普段から意識的に摂ることが大切です。

良質のたんぱく質は、卵やささみ、牛乳、魚、肉、納豆や豆腐などの大豆製品に含まれています。
成人の一日に必要なエネルギーは、2,200~2,400kcalといわれています。
その中で、90g以上のたんぱく質を摂ることが目標です。

90gと聞くと少なく感じますが、たんぱく質の含有量は意外と少なく、牛乳コップ一杯に約6g、納豆一パックに約8gほどです。
それらと比べて、いわし100gに対するたんぱく質は33g、ささみ100gに対するたんぱく質は23gと豊富です。
数字にしてみてみると、低カロリーの中でたんぱく質を摂るのは、すごく難しいことだとわかります。

魚や肉も調理法を工夫したりしながら、しっかり摂ることが重要となります。
全身の機能を調節、維持するビタミンやミネラルは、体内で作り出すことができません。
ですから食事から摂取する必要があるのですが、もし肝臓が弱っていると、ビタミンやミネラルは代謝されず、
無駄になってしまいます。
肝臓をいつも正常に機能させるためにも、これらは毎日、効率よく食事から摂取することが目標です。

また、ビタミン類は偏って摂取すると、吸収率が悪くなってしまうという特徴があります。
ビタミン不足になると、脂肪肝や肝硬変、肝炎の発症率も上がってしまいます。
ですので、ビタミンが豊富な食べ物を基本に、足りないビタミンはサプリメントで補うのも一つの方法です。

特に、肝臓に必要なビタミンは、ビタミンB群です。
豚ヒレ肉やいりごま、うなぎの蒲焼などに含まれるビタミンB1、レバーやしいたけ、納豆などに含まれるビタミンB2、
にんにくや鮭、さんまなどに含まれるビタミンB6、しじみや焼き海苔、いくらなどに含まれるビタミンB12は、
肝臓が栄養素を合成する際に活躍します 。

いわしやかつお、まいたけなどに含まれるナイアシン、うにやワカメ、ほうれん草などにふくまれる葉酸も、
肝臓が不要物を分解、解毒する際に、酵素の働きを助ける機能があります。
その他に、タウリンという肝機能を向上させる栄養素もあります。

タウリンはタコやイカ、ホタテなどの魚介類に含まれています。
さらにアサリやシジミには、他にも肝臓に良い成分がいくつも含まれています。
二日酔いのときシジミのお味噌汁を飲むと良いといわれるのは、このような理由があったのです。

-肝臓と食事