肝臓と食事

肝臓を労わる引き算の食事、足し算の食事

枝豆と豆腐

食生活における引き算、足し算とは、避けるべき食品や食事法と積極的に取り入れたい食品や食事法、ということになります。

健康な肝臓を維持するため、また傷んでしまった肝臓を少しでも助けるため日々の食生活は想像以上に大きな役割を担っています。

ここでは引き算と足し算にわけて、肝臓を労わる方法を考えてみましょう。

引き算の食事

①食べすぎない。

体に悪いものを摂らないようにするだけでなく、総量として食べ過ぎてしまうのは良くないことです。

肝臓は食べ物から摂った栄養を代謝していますから、食べ過ぎてしまうと疲れてしまうのです。

②高たんぱく食品、小麦製品を食べ過ぎない。

高たんぱく食品は体に良い印象がありますが、肉を摂取すると脂肪も同時に摂取されてしまうことが多くあります。

また体に良いイメージの牛乳も「リキッドミート」(液体の肉)と呼ばれるほど、実は代謝の負担の大きい食品です。

同様についつい量を食べてしまいがちな、うどんやパン、パスタなどの小麦製品も代謝の負担の大きな食品ですから量を考えて食べましょう。

③油脂を控える。

揚げもの、菓子類など、大量に油脂を含む食べ物は控えましょう。

近年欧米を中心に話題になっているトランス脂肪酸や過酸化脂質は肝臓にとってとても有害です。

④食品添加物を避ける。

食品添加物といっても合成された薬品と言えます。これらの自然界由来でない物質は体内で毒素として肝臓が排出しなくてはならない場合があります。

このような毒素で肝臓の負担を増やさないようにしましょう。

足し算の食事

①大豆製品を積極的に食べる。

高タンパク食品の中で安心して量を摂れるのが大豆製品です。アミノ酸のバランスが良く消化・吸収の良い大豆製品は少ない負荷で、疲れた肝臓をサポートしてくれます。

また大豆に含まれるサポニンは過酸化脂質ができるのを抑えて肝臓を再生させてくれます。

②未精製の穀物を摂る。

穀物は主食として質量的に多く、また食事の度ごとに摂るので、その主食から食物繊維やビタミン、ミネラルを確実に定期的に摂取することができます。

ビタミン、ミネラルは肝臓が血糖値をコントロールする機能を補う働きがあります。

③食物繊維を多く摂る。

野菜、海藻、きのこ類から、食物繊維を多く摂取することで、腸内環境が整います。
そうすると腸内からのアンモニアの吸収を抑えられるのです。

人体に有害なアンモニアは尿として排泄されるだけでなく、肝臓が分解してくれているのです。

④タウリンが豊富な食品を摂る。

タウリンと言えば、疲労回復物質、肝機能を助ける役割がある、ということはTVCMなどでも言われています。

ドリンク剤なども良いのですが、日々取り入れるのであれば、食事からも摂取したいところです。

代表的な食材はアサリ、しじみ、牡蠣、いかなど。魚介類ばかりですが、オイスターソースなどを調理に上手に利用してみるのも方法です。

スーパーヒーリングフードとサプリメント

栄養の過多や油脂、添加物を避け、食物繊維やタウリンを積極的に摂ることが肝臓を労わる食事方法ということになります。

では、足し算の食生活の代わりにサプリメントを摂ればいいのでは?

との考えがすぐに浮かびますが、最近ではスーパーヒーリングフードが流行の兆しです。栄養素だけを抽出したサプリメントは一見効率が良いように見えます。

ところが栄養素は同時に摂取する他の栄養素と相乗効果が得られるのです。

サポニンだけ、タウリンだけ、を単体で摂取する以上に、食材としてそれらを多く含んだ食品を食べると、その働きがより高まる、と言われています。

更に、同時に摂取した他の栄養素は、それぞれに体にとって良い働きをしてくれるわけですから、安易にサプリメントに頼るのではなく、健康的な食生活を意識する方が、肝臓のみならず、体の隅々まで健康でいられる近道なのです。

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