薬物性肝障害とは、薬の服用によって副作用が生じる障害です。
実際に発症する可能性は大きくありませんが、服薬そのものが大きな起因となるため、薬を飲む機会がある方は誰でも、症状を引き起こす可能性があります。
今回は薬物性肝障害について、予防法や対応の仕方をまとめました。
目次
誰にでも起こり得る?「薬物性肝障害」ってどんなもの?
薬物性肝障害とは、服用薬の副作用によって、肝臓の機能に障りが生じることを言います。
私たちの体内において、肝臓は薬の代謝を行っています。
その代謝によって生じた物質が肝臓に現れるため、薬の副作用として肝障害が出やすいのだそうです。
副作用の主な症状としては、以下のものが挙げられます。
- 倦怠感
- 食欲不振
- 発熱
- 嘔吐
- 身体の痒み
- 黄疸
- 湿疹
障害の根本的な原因は薬ですが、この薬の種類は多岐に渡ります。
例えば、病院などで処方される解熱・鎮痛薬や抗がん剤、またドラッグストアなどで手に入る総合風邪薬や漢方、ハーブ薬などでも、副作用により肝臓の機能障害が出る場合があります。
そのため体質などにもよりますが、薬を服用している限り、薬物性肝障害はどんな方にでも起こり得る疾患と考えられます。
しかし、そのような因子を持ちながらも、肝臓は異常に気付き難いとされる部位です。
それ故に「沈黙の臓器」と呼ばれることもあります。
ここでは肝障害について、副作用の症状の出方や予防法、早期発見・対応方法などをご紹介していきます。
症状の出方は3種類
薬物性肝障害は、薬の副作用によって引き起こされます。
その副作用の出方は、主に、服用量・本人の体質・本人の遺伝子的要因の3つの要因によって、それぞれ区別されます。
中毒性肝障害
中毒性肝障害は、薬を沢山摂取して症状が出た場合の区分です。
決められた用量を守ることで、避けることができます。
アレルギー性特異体質性肝障害
薬そのものがアレルギー起因となって起こると、ここに区分されます。
事前の予測は難しいのですが、元々ぜん息を持っていたり、じんましんが出やすかったりなど、一般的に「アレルギー体質」と呼ばれる人は、薬の副作用が出やすい傾向があるそうです。
代謝性特異体質性肝障害
薬を肝臓内で代謝する際に働く酵素や、免疫など、特殊な個人体質によって副作用が生じるパターンです。
アルコール摂取量に個人差があるように、薬の代謝や分解出来る量にも個人差があると考えられており、それは本人の持つ遺伝子に要因があるとされているようです。
早期発見・対応を心がけよう!
上記もしましたが、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれることもあるほど、異常に気が付き難い部位です。
痛みが出ないこともあるため、症状が進んで悪化してしまうこともあるそうです。
「気が付いたときには・・・」
とならないためにも、普段から出来る予防法を以下にまとめました。
自分が飲む薬を良く知っておこう!
医師や薬剤師に、自分が飲む薬の種類、予想される副作用について説明を受けておきましょう。
また、服用期間も押さえておくと良いでしょう。
もし副作用が出てしまった時にも、医師や薬剤師に情報が伝わるため、迅速な対応が望めます。
おくすり手帳などを利用するのも良いかもしれませんね。
薬の処方時に、自分の情報を医師や薬剤師に伝えておこう!
薬を貰う前に、自分の体質や持病などの病歴を伝えておきましょう。
また、サプリメントや健康食品などの使用もあれば、それも伝えておくと飲み合わせの相性も考えてくれます。
定期的に血液検査を受ける
肝臓の異常は、身体に出ていない場合でも、血液検査によって見つかることがあります。
そのため、定期的な血液検査をおすすめします。
その際は、服用している薬やおくすり手帳など、何か薬の情報がわかるものを持っていくと、スムーズな診断をしてもらいやすくなるでしょう。
特に長期間の服用をしなければならない場合は、気を付けて経過を見ることが大切とされます。
少しでも異常を感じたら医師に相談を
これまで、薬物性肝障害についてご紹介しました。
薬を服用していて何か異常を感じたら、早めに医師や薬剤師に相談なさることをおすすめします。