「糖尿病」というと、皆さんはどんなイメージを持ちますか?
生活習慣や食事の乱れによって起こるもの、と想像する方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は、糖尿病は肝臓疾患の合併症として発症することがあります。
ここでは肝性糖尿病について、役立つ情報をまとめました。
肝性糖尿病の基礎知識
肝性糖尿病とは、いったいどのような病気なのでしょうか?
ここでは基礎知識と、発症のメカニズムとされている、有力説の紹介を行います。
(1)肝性糖尿病とは
肝性糖尿病は、肝硬変の合併症の一つです。
肝性脳症・食道静脈瘤と共に、「肝硬変の三大合併症」とも称されています。
肝硬変を患った際に発症する確率は、約10パーセント程と考えられています。
(2)発症する仕組み
「糖尿病」とはそもそも、きちんと炭水化物の代謝が行えていない状態を指します。
人は食事をした際、その中から身体を動かすエネルギーとなる、糖質を摂取します。
そして、その糖質をブドウ糖(グルコース)へと分解します。
本来なら、このブドウ糖は血液中に一定の濃度に保たれ、必要な分のみうまく取り入れられるように制御されています。
このコントロールをしているのが、膵臓から分泌されているインスリンというホルモンです。
そのインスリンが体内で生成されない、または絶対量が不足しているなどの理由で、慢性的に高血糖状態を維持していまうのが「糖尿病」という病気です。
以上でお話をしたように、インスリンを作りだすのは膵臓であり、糖尿病においては、この臓器が良く取り上げられます。
しかし、血糖値を微細に調整しているのは肝臓なのです。
糖尿病だから肝臓も悪くなるのか。
肝臓の機能が悪いから糖尿病になったり、また、既に糖尿病を発症している人の高血糖をさらに悪化させているのかは、まだ完全には解明されていないそうです。
肝硬変などの疾患が、肝臓の働きを妨げ、コントロールを難しくさせていると考えられるかもしれません。
自覚症状なし? 肝性糖尿病の怖さ
肝性糖尿病には、目立った自覚症状がないと言われています。
症状としては、以下のものが報告されているようです。
- 手足のしびれ
- 便秘
- 体重の減少
- 喉の渇き
こうして予防しよう!
まずは、合併症を招く肝臓疾患にかからないよう、気をつけましょう。
肝臓の負担を減らすことを考え、アルコールの量を控えたり、休肝日を作ることなど、出来ることから始めてみてはいかがでしょうか。
また、血糖値コントロールのために、食事内容や食べ方を工夫することも大事です。
以下、食事のポイントをまとめました。
- 一度の食事量を減らし、食事回数を増やす。
- 空腹の時間を長くしないよう、頻繁に少量の食事をするようにする。
これらは、急激な血糖値の上昇を防ぐための方法です。
また他にも、
- 砂糖や果糖が多く含まれる、菓子・果物を食べすぎない。
- 油分や脂質を摂りすぎない、ヘルシーな食事を心がける。
などがあります。
少しでも不安や異常を感じたら、必ず医師に相談をしましょう。
その際、肝機能検査も忘れずにチェックしてもらいましょう。
脂肪肝など、血液検査だけでは発見しにくい症状である可能性もあるからです。