肝炎には、全部で7つの型が確認されています。
その中でも、今回お伝えするG型肝炎は、約20年前に見つかったばかりの新型肝炎です。
それ故に未だ研究途中にあり、不明なことも多くあります。
しかし国内では、G型肝炎と見られる症状の発症や、それによる死亡例も報告されています。
新しい病気について、基礎知識を押さえておきましょう。
G型肝炎の発見
G型肝炎と呼ばれる病気が見つかったのは、今から約20年前、1995年のアメリカでした。
動物に噛みつかれた医師が肝炎を発症し、その血清から、それまでとは違う肝炎ウィルスが見つかりました。
G型肝炎の症状
肝炎とは、何らかの原因で肝臓に炎症が起こる症状を指します。
日本ではウイルス性の肝炎が、発症原因の約80パーセントを占めるそうです。
肝炎は、発熱や、皮膚が黄色くなる黄疸、全身の倦怠感が主な症状です。
しかしG型肝炎の場合は、病因となるウィルスがどのような症状を起こすのか、まだはっきりとはわかっていないようです。
- 肝炎は起こすが、軽度なもので死亡には至らない
- ガンや肝硬変を引き起こす可能性もある
など、研究者たちの間で意見が分かれている状態なのだそうです。
G型肝炎の感染経路
今までの研究から、G型肝炎の感染経路は大きく分けて2つあると考えられています。
- 1つ目は輸血によるウィルス感染
- 2つ目は母子感染です
1つ目の輸血によるG型肝炎感染については、1997年に虎の門病院の消化器科グループによって発見・報告されました。
消化器科グループは、肝臓ガン手術の際に輸血を受けた患者の内、55人の経過観察を1年以上続けました。
その55人の患者の内、術後1カ月で11人が肝炎に感染しました。消化器科グループは、症状などの様子から、この肝炎をG型であると考えました。
そして、その感染経路を手術中に使った輸血用血液にあるのではないか、と説を立てました。
輸血用血液が感染原因になったと考えた場合、手術の際、患者1人辺りには平均71人分の輸血用血液が使われたことを踏まえると、当時、日本赤十字の用意した輸血用血液の約1.4パーセントに、G型感染ウイルスが入っていたと推測されます。
肝炎では以前、C型肝炎ウィルスの輸血感染が問題になりました。
そのような歴史も踏まえ、G型肝炎に関しては警戒を充分にしておくべきなのではないでしょうか。
厚生労働省や各自治体は、肝炎ウィルス検査を推進し、対策を行っています。