肝臓の疾患

迅速な対処が大切!~胃・十二指腸潰瘍~

胃・十二指腸潰瘍

胃・十二指腸潰瘍は、ピロリ菌、非ステロイド性抗炎症薬、胃酸などによって、胃や十二指腸の粘膜が傷つけられ、損傷してしまう病気のことです。20~40才の比較的若い方に多くみられます。

潰瘍は胃の出口の下、つまり十二指腸が始まる部分にできることが多くみられ、その次にできやすいのは胃の内壁です。どちらも組織が胃酸に侵されやすくなって潰瘍ができます。

欧米では十二指腸潰瘍が多く、日本では胃潰瘍の方が多い傾向がありましたが、生活の欧米化に伴うかのように、日本でも十二指腸潰瘍が増えてきています。

胃・十二指腸潰瘍の症状

典型的な症状は、上腹部やみぞおちの痛みです。胃潰瘍の場合は食後の痛み、十二指腸潰瘍の場合は空腹時に痛みが起こります。

胃潰瘍の食後の痛みは、胃に入った食べ物が潰瘍を刺激して起こります。十二指腸潰瘍の場合は、空腹時に胃酸が潰瘍を刺激して痛みが起こるため、食事を摂ると痛みが治まります。

ただし、潰瘍があっても全く痛みを感じない場合もあるので痛みだけで判断するものでもありません。

痛みの他には、嘔吐、食欲不振、体重減少などがみられることもあります。重症になると吐血や下血(黒い便が出る)もみられます。

どうして胃・十二指腸潰瘍になるの?

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因については、長らくストレスが原因といわれてきましたが、最近では、直接の原因はピロリ菌や薬抗炎症薬や鎮痛薬などの薬であることといわれています。ストレスは、症状を促進する要因の一つとされています。

胃潰瘍は、胃粘膜の防御する機能が弱まることで起こります。ピロリ菌や薬抗炎症薬や鎮痛薬などの薬、そしてストレスによって機能が弱まり、胃粘膜に傷ができ、腫瘍になっていきます。

十二指腸潰瘍は、胃酸の分泌が増えて胃酸の攻撃に対する抵抗力が弱い十二指腸潰瘍の粘膜を傷つけることによって起こります。ピロリ菌も十二指腸の粘膜を弱めます。

また、十二指腸潰瘍は胃酸の分泌が活発で分泌量の多い人がかかりやすい病気といわれていますが、なぜこのような差が出るのかについては分かっていません。

胃・十二指腸潰瘍の予防と対象法は?

脂肪、たんぱく質、香辛料の多い食事は胃に負担がかかるので、一度にたくさん摂りすぎないようにしましょう。規則正しく、適量な食生活を心掛けましょう。

またアルコール・カフェイン、タバコも控えましょう。ストレスをためないようにすることも大切です。

胃・十二指腸潰瘍は、早めに対処をすれば治しやすい病気といわれています。くり返す痛みや吐き気がある人は我慢せず、受診して原因を確認し、適切な治療を受けるようにしましょう。

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