私たちが通常、食事をしたとき必要な栄養素はまず肝臓に送られていきます。
そのとき、脂肪は小腸で分解されて脂肪酸に変わりますが糖分や脂質を多く摂りすぎると肝臓に送られる脂肪酸の量が多くなってしまうため、排出できなくなった脂肪酸は中性脂肪となって肝臓に溜まってしまいます。
これが脂肪肝です。食べ過ぎや飲みすぎで中性脂肪やコレステロールがたまってしまった肝臓は肥満状態になって機能の動きが鈍くなってしまいます。そして動脈硬化や生活習慣病を引き起こします。
脂肪肝の食事レシピ
脂肪肝の予防・改善に、食事療法を取り入れましょう!
脂肪肝に効果的といわれるレシピをご紹介します。
脂肪肝とアルコール
脂肪肝でもアルコール性の場合はアルコール性肝炎から肝臓病の中でも最も恐いといわれる肝硬変になることがありますので医師の指示にしたがって適切な治療をしていきましょう。
アルコール性肝炎の症状としては倦怠感や発熱、黄疸などがあります。
この時点で飲酒をやめ肝臓の機能の回復をはかりましょう。
中性脂肪と活性酸素
中性脂肪はもともと血中に多く含まれている成分です。
脂肪肝になる原因は、この中性脂肪が肝臓に多くたまってしまうために起こります。
普通の状態の肝臓にも中性脂肪は含まれていますが、2~3パーセントが通常の範囲内とされています。
これが10パーセントを超えると脂肪肝として診断されるようです。
脂肪肝になる原因は、生活習慣病に多く原因があるとされています。
脂肪の多い食事、不規則な生活、アルコールのとりすぎに糖尿病などの疾患によるものなどが
多い理由のようです。
この中性脂肪のとりすぎに気を配ることも大切ですが、近年は同時に活性酸素を抑える仕組みづくりも大切になってきています。
それは非アルコール性脂肪性肝炎、NASHの存在があるからです。
もともと肝炎はウィルス性によるものが多く、生活習慣や肥満による生活習慣病とはあまり関係が
ないものと思われていました。
しかし、NASHの存在が明らかになり、それを持っている方がおよそ1000万人あまりいることがわかってから生活習慣病としての肝炎を防ごうという取り組みが大きくなっているようです。
このNASHは、脂肪肝が原因でおこります。
脂肪肝に多くたまった中性脂肪に活性酸素が多い酸化ストレス状態から、NASHにつながるさまざまな悪循環がはじまります。
活性酸素が中性脂肪を過酸化脂質に変化させ、血管や器官に悪影響を及ぼすもの。
また過剰鉄に陥り、過剰鉄から活性酸素や有害物質を発生させやすくなるもの。
特にNASHにつながる要因、「脂肪肝になる原因」として一番大きくはたらくものとして「インスリン抵抗性」がよく取り上げられています。
インスリン抵抗性というのは、インスリンの働きに対して機能が鈍感になっている状態のことを あらわします。
このインスリン抵抗性は糖尿病患者によくあらわれる性質です。
インスリンとはホルモンの一種で、血糖値を抑制するはたらきのあるものです。
インスリンが効きにくい糖尿病になると、高脂血症につながる恐れがあると言われています。
高脂血症は血液中に含まれるコレステロールや中性脂肪、遊離脂肪酸などの濃度が多くなる状態のことです。
つまりインスリン抵抗性によって血中の脂肪が増え、肝臓に中性脂肪がたまりやすくなると考えられているのです。
中性脂肪が増えると脂肪肝につながりやすく、もともと体内に鉄分が蓄積されていたり、蓄積されやすい状態だったりすると活性酸素が体内で発生しやすい状態になります。
活性酸素が発生しやすい状態になると、脂肪肝からNASHへと発展しやすくなるのです。
NASHは脂肪肝が原因で、肝硬変や肝臓がんに進行する恐れのある状態のことです。
NASHが発生するには、さまざまな要因がからんでおり、全容が解明されるにはまだまだ時間が
かかります。
現状では血清鉄や血清フェリチンが高値で、インスリンが血中に多い状態、肝臓の線維化をあらわす成分(4型コラーゲン7S)が高値の場合にはNASHと診断される可能性が高いようです。
NASHかどうかは肝生検という検査でも調べることができます。
肥満や糖尿病で脂肪肝が考えられるという方は、一度消化器科や肝臓内科などで検査を受けてみるのがよいかもしれません。
主な治療法は日常習慣の改善や薬物療法になるようです。