高血圧とは、その名の通り血圧が高いという症状です。しかし、一度測った血圧が高いというだけでは高血圧症とは言い切れず、繰り返し測っても血圧が正常より高い場合(最高血圧140mmHg以上最低血圧90mmHg以上)をいい、これを高血圧症と診断されています。
血圧が少々高い程度ではほとんど自覚症状はありませんが、高血圧状態を長時間放置すると動脈硬化をまねくことになり、脳卒中や心臓病、じん疾患などの多くの合併症を引き起こしてしまいます。
現在、患者数は3000万人以上にも及ぶとされていて、成人男性の約45%、成人女性の約35%が高血圧になっているという統計があります。
高血圧症の症状は?
症状としては、頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、動悸、息切れ、吐き気、手足のしびれなどがありますが、高血圧の特有の症状とははっきりわかりません。この為、一般的に高血圧自体が何らかの症状を引き起こすことはないと考えられています。
どうして高血圧症になるの?
高血圧症には大きく分けて2つのタイプがあります。1つ目は本態性高血圧症で、2つ目は二次性高血圧症です。
患者数の約9割が本態性高血圧症といわれていますが、原因ははっきりわかっていません。遺伝的素因や食塩のとりすぎ、肥満、飲酒、運動不足、精神的ストレス、喫煙など生活習慣の乱れや加齢などの環境要因が絡み合って発症すると考えられています。
二次性高血圧症は腎性、内分泌性、血管性、薬物によるものなどが原因としてあげられます。
高血圧症の予防と対象法は?
自覚症状がみられない為、定期的な検査で自分の血圧の数値を把握すると予防や対処に役立ちます。
塩分の摂り過ぎは高血圧症の原因となる為、注意しましょう。日本人の成人に勧められている1日の塩分摂取の目標値は男性10g未満、女性8g未満です。
過度の飲酒には気をつけましょう。そしてタバコは急激に血管を収縮させてしまう為、血液の流れがわるくなるので控えましょう。こうしたちょっとした改善が予防となります。
また、肥満の人ほど高血圧になりやすいといわれているので、普段から適度な運動を心がけ、適正体重を保ちましょう。
適度な運動は心臓や肺の働きを向上させ、血液の循環を良くします。ただし、運動すると血圧が上がるので、普段血圧が高い人や病院にかかっている人は運動が制限される場合もあります。かかりつけの医師に相談しましょう。
規則正しい食生活と運動で便秘にならないよう気をつけましょう。便秘に伴う排便時のいきみを血圧を上昇させるので注意が必要です。
ストレスは血圧にも影響を与えます。疲労をため込まずに休息したり、自分なりのストレス解消法を見つけることも大切です。
急激な温度変化も血圧の上昇の原因となります。特に冬場の外出や入浴の際に気をつけましょう。