高脂血症という病名を聞いたことがありますか?名前から血液中の脂肪が多い、つまりドロドロ血に関係する病気というイメージがあると思いますが、実は怖い病気なのです。
高脂血症とは?
高脂血症(高コレステロール血症)、またの名を脂質異常症といいます。血液中のコレステロール(脂質)や中性脂肪が、多過ぎる病気のことです。
血液中にはコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の4種類の脂質がとけこんでいます。
コレステロールは細胞膜を作ったり脂肪の吸収を助けたり、アンドロゲン(男性ホルモン)、エストロゲン(女性ホルモン)などといったホルモンの材料になるという働きがあり、中性脂肪はエネルギー源として働いていますが、過剰になると身体に障害をもたらすのです。
どうして高脂血症になるの?
遺伝子異常や他の病気に伴うこともありますが、8割以上は生活習慣に関連した原因が重なって発症します。肉類、油もの中心の食生活や暴飲暴食、喫煙、アルコールの過剰な摂取、運動不足が原因としていわれています。
近年の食事の欧米化によって増加した病気のひとつともいえます。
さらに日々の生活の中のストレスから喫煙量やアルコール摂取量が増加し、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が増加してしまう、といった悪循環もあります。
そして、運動不足も原因の1つです。原因を知ると、聞きなれない病名とはいえ、誰でもなりうる病気の1つといえます。
高脂血症になってしまったら?
糖尿病と同様、自覚症状がないまま進行し、動脈硬化になって重篤な病気を引き起こす怖い病気といえます。現在患者数は約700万人いるといわれ、増加傾向にあります。
怖いのは動脈硬化だけではありません。心筋梗塞や脳梗塞の発作を起こすこともあります。
高脂血症にならないために
もっとも重要なのは食生活の改善です。中性脂肪と悪玉コレステロールを減らす上で取り入れていきたいのが青魚や海藻類、根菜類です。青魚には中性脂肪を減らし、悪玉コレステロール値を下げる効果があるといわれているEPAとDHAが多く含まれています。
このEPAとDHAは体内で生成することができないことから、食事から摂取する大切さはいうまでもありません。
そして血液をサラサラにする成分が多いといわれるワカメなどの海藻類や、玉ねぎ、大根などの根菜類も同時に摂っていきましょう(ただし、甲状腺の病気がある人は、コンブなどの海藻を食べ過ぎるとヨード過剰になりやすい為、注意が必要です)。
食生活の改善と合わせて、ウォーキングやサイクリング、スロージョギング、水泳などの有酸素運動も積極的に日々の生活に取り入れていきましょう。