肝臓の働き

代謝

ハーブ

肝臓には主に三つの働きがあり、その一つが代謝です。

人間が生きていくためには、肉や魚、野菜などを食べて栄養素を摂取し、活動するためのエネルギーに変えていかなければいけません。
しかし食べたからといって、それらの食べ物がそのまますぐに栄養素やエネルギーに変化するわけではありません。

身体の中で時間をかけ、様々な変化を経て、初めてエネルギーとして使うことができるのです。
このように、食べ物からとった栄養素を体内で使える形に変えて蓄え、エネルギーのもととして必要に応じて供給する働きのことを、代謝と呼びます。

代謝は肝臓以外の臓器でも行なわれていますが、特に肝臓の働きとして挙げられるのは、人間にとって欠かせない脂質、糖質、たんぱく質という三大栄養素の代謝を行なっているからです。
三大栄養素のうち脂質は、肉の脂や植物油などに含まれています。

これらの食べ物を摂取すると、まず小腸へと運ばれ、脂肪酸、グリセリン、カイロミクロンに分解されます。
その後、肝臓でコレステロール、リン脂質、中性脂肪などに合成し、血液によって体中の脂肪細胞に運ばれます。
また、肝臓を働かせるエネルギー源として、一部は肝臓にも貯蔵されます。
糖質は、パンやご飯、麺類などに含まれる炭水化物のことです。

これらは小腸でブドウ糖に分解された後、肝臓でさらに分解、合成されて、血液と一緒に全身を廻りエネルギー源となります。
炭水化物は人間のエネルギー源として、一番多く必要とされている重要な物質です。
しかし、炭水化物を摂取しすぎるとブドウ糖が高濃度になってしまい、糖尿病などの身体に有害な作用をもたらします。

これを防ぐために、すい臓でインスリンが分泌され、血糖値が高くなりすぎないように保っています。
また、炭水化物は肝臓でグリコーゲンを合成して体内に貯蔵されたり、それでも余った分は肝臓に蓄えることもできます。
たんぱく質は、生物にもともとある固有の物質で、アミノ酸が結合してできています。
これを肉や魚、大豆製品などで摂取し、胃や腸でアミノ酸に分解された後、肝臓でさらに分解、合成されます。

そうしてできた物質は、血液で全身の筋肉や臓器へ運ばれ、細胞を作り出すという重要な働きをします。
脂質、糖質、たんぱく質の三大栄養素がなければ、人間は生きていくことができません。
これらを作り出すための肝臓での代謝は、肝臓だけでなく、全ての臓器の中でもかなり重要な働きといえます。

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