以前はお酒を飲む年配の人が気を付けましょうというように言われていたものですが、最近ではお酒を飲まない若い人でも肝臓の機能に関する項目を気にする人が多くなりました。
肝臓というのはお酒だけでなく、さまざまな原因でも何かしらのダメージを受けることがあるのです。
健康診断を受けた時の血液検査で肝臓の機能に対する異常が分かります。
それは、ALT(GPT)、AST(GOT)というような項目の数値が異常を示せば肝機能に問題があるとされています。
肝臓は肝細胞や胆管細胞というものに接するように血液の通り道があり、肝細胞や胆管細胞に問題が生じた場合には肝臓内の物質は血液中に漏れてくるのです。
だから血液検査で異常が見つかるという仕組みです。
肝臓に病気にはさまざまなものがあります。
よく知られるのが肝脂肪、肝硬変、肝がんですね。
肝臓では脂肪酸というものから中性脂肪を作り出し肝臓の中に貯めることでエネルギーとして必要とされる分を放出しているのです。
でも、放出されるエネルギーを作られた中性脂肪が上回ってしまうと肝細胞にどんどん溜まってしまうのです。
このような状況で肝細胞ぜんたいでの30%以上が脂肪化してしまうことを「脂肪肝」というのです。
最近ではこの脂肪肝をメタボリックシンドロームと関係があるのではと指摘する声もあります。
脂肪肝になってしまう原因としては、お酒の飲みすぎで起こる「アルコール性脂肪肝」と、肥満や糖尿病、薬が原因となって起こる「非アルコール性脂肪肝」とに分けられます。
脂肪肝の症状というのはほとんどありません。自覚症状はないのです。
そのため血液検査で指摘されて始めて分かる人がほとんどで、脂肪肝だと分かる時にはすでに脂肪が肝臓にたまっている状況になっています。
脂肪肝は進行すれば、肝臓の組織が破壊と再生を繰り返した末に硬くなってしまう「肝硬変」になり、さらに「肝がん」へと移行する可能性が非常に高くなっていきます。
他にもウイルス性肝炎というものが最近では増えています。
ウイルスに汚染された生水や食品から感染するA型肝炎、ウイルスに感染している人の血液などから感染するB型肝炎、C型肝炎があります。
これらのウイルス性肝炎、特にB、C型肝炎に関しては急性肝炎、慢性肝炎があり、さらに慢性肝炎から肝硬変から肝がんへと進む人も少なくはありません。
ウイルス性の肝炎を除いてほとんどの肝臓障害というのはやはり肝脂肪から進行していくものが
多いようです。
ですからお酒を飲む、飲まないにかかわらず定期的に血液検査を行っていくのが早期発見につながっていきます。
もちろん普段の生活を見直すことも重要ですよ。