肝臓は生命維持に欠かせない臓器です。
よって、肝臓に障害が出ると生じる影響は、軽視できるものではありません。
これまで、肝臓は沈黙の臓器といわれ、障害があっても自覚症状が少ないこと、肝臓は生命維持に必要な様々な働きを担っていることを述べてきました。
これらを知ると、肝臓を傷めてしまったら、今までのような生活には戻れないのではないかと不安に思う人もいるかもしれません。
しかし、肝臓はすごいのです!
肝臓という臓器は、再生力に溢れた臓器です。
肝臓には「代償能」といって、一部が機能しなくなっても、残りの部分がそれをカバーして機能する力があります。
肝臓の一部を切除すると、そこを補うように残りの部分が肥大することも確認されています。
正常な肝臓は3/4を切除しても大丈夫といわれており、再生能力の高い臓器です。
したがって、アルコールによる軽度の障害やγ-GTPが100IU/L以下の異常値ならば、短期間の禁酒または飲酒量の減量で回復します。
そこで、大事なのが、肝臓機能の異常を早期に発見することです。
肝臓の代償能には限界があり、肝臓全体の機能が落ちてしまうと、機能回復は難しくなります。
黄疸や腹水は代償能の限界が近いというサインで、慢性肝不全のおそれがあります。
この非代償期に入ってしまった場合、5年生存率は25%程度と、過酷な現実と向き合うことになります。
肝臓の再生能力を生かすためには、早期発見がポイントなのです。
早期発見には、職場の健康診断や献血、その他の血液検査の機会におけるγ-GTPなどの肝臓に関わる数値の異常値を放置しないことです。
自覚症状がなくても、γ-GTPが100を超えていたら、病院で診てもらうように専門家は勧めています。
ここまでで、肝臓の重要性はわかったけれど、やっぱりお酒を飲みたい!という人も
多いことでしょう。
そこで、肝臓にできるだけ優しく、お酒を楽しむ方法を次にまとめてみました。