お酒を飲みすぎると肝臓に負担がかかり、肝臓の機能に障害が出ます。
これを知っている人は多くいるでしょう。
しかし、そもそも、肝臓ってどのような働きをしているのかは、意外と知られていないのではないでしょうか。
肝臓の機能は以下の5つとなります。
1.尿素の合成
食事などで取り込まれるタンパク質が分解されて生じた、アンモニアをオルニチン回路で毒性の少ない尿素に合成しています。
2.グリコーゲンの貯蔵
血液中のブドウ糖をグリコーゲンとして貯蔵し、低血糖状態のときにブドウ糖として放出することで、血糖値を一定に保っています。
3.胆汁をつくる胆汁は、一日に500~1000mlつくられ、脂肪の消化を助ける消化液です。
便の色が黄色いのはこの胆汁によるものです。
この黄色は、体内で常に作られ続けている赤血球が、破壊されたときにできる物質に由来します。
4.熱の発生
人間の体内は温かく、その体温は一定に保たれています。
この熱の発生源の一つが、肝臓です。
肝臓の活発な代謝活動で、筋肉の次に熱を多く発生しています。(全熱量の約12%)
5.解毒
体内の有害物質を無毒化する働きがあります。
その他、ヘパリン(血液凝固を抑制する)の生成、ビタミンの貯蔵、血流の調節、フィブリノーゲン(血液凝固に関わる血しょうたんぱく質)の合成などの働きがあります。
これを見ると、肝臓の働きは実に、幅広いことが良く分かります。
アルコールにより、肝臓に障害が起こるということは、これらの働きが低下するということです。
肝臓は、生命維持に欠かせない器官であり、どんなに症状が悪化しても
肝臓を取り除くことはできません。
悪化した肝臓を取り除くには、移植という形が必要です。
そこで、お酒好きなら気になるのは、肝臓にアルコールの影響が出たら、禁酒以外に助かる方法はないのか、その禁酒はいつまですれば良いのか、ということではないでしょうか。
よって、次に、肝臓のすごさに触れてみたいと思います。